売春とは何か?

2003年12月12日
先日、中国で日本企業の集団買春が問題となった。
これが引き金となって、暴動まで起きたというので驚いた。

数年前、仕事の関係で数十人の日本人と香港に言った時、ほとんどの男が夜になると買春に行ったことを思い出した。
あきれたことに、添乗員に申し込んで「いい思いをしたい」とねだったそうだが、添乗員も添乗員で、心得たとばかりに「行かれる人を集めておいてください」としたものだった。
買春をしている当人たちにとっては、国家単位での侮辱的行為だとは思い当たるはずもないであろうが、わたくしに言わせればこの上なく恥知らずで、例えば自分の娘が、同じように海外ツアーで来た観光客に、売春をしたと知ったら、どうするのであろうか。

もちろん、家に帰れば「立派な」お父さんであり、「優秀な」息子であったりする彼らは、自分のした行為を支える基準と、自分がされる行為の規準が異なっている点において、分裂している。

もちろん、お金欲しさに売春をする方もする方で、何らかの事情があるにせよ、性を売り買いすること自体に、一方だけに問題があるわけではない。

さて、これを聞いた中国の男子学生が、日本人に対して怒り、暴動になったということについては、責任転嫁と被害妄想を感じる。
もちろん、買春した方は恥知らずであり、札びら叩いて女を買うなどとは、憤怒をもって制裁すべきであろう。
しかしだからといって、売春した方のことは差し置いて、日本人に対して怒りを向けるのはいかがなものであろうか?
「いい思いをしたい」とねだる日本人に対して「恥を知れ!」と追い返すのならともかく、そういった売春組織が用意されていて、レールが敷かれている自国の問題はどこへ行くのだろう?

同様に日本人がそのような恥知らずなことをしているのに、メディアを含め周囲の人々はこれを国家的糾弾としてもっと大げさに騒いでもよさそうなものであるのに、実は報道しているだけで何もしていない。

これは一体どうしたことであろうか?
考えるに、売春宿は文化人類学者に言わせれば、人類が村や都市といった社会形成をした頃からあるそうで、今でもどこの国へ行っても必ずといっていいほどある。
では、売春は人類にとって必要な行為であるのか?
だとすれば、これをまずいといって規定している方に問題があるのだろうか?

わたくしは、わたくしと付き合っている女が、他の男と寝たり、遊んだりすることを少しも厭わないが、これは実に珍しいこととされているようである。
すると、男は女を所有し、自分だけのものにする必要に迫られる。
そのためには、男は女を養い、食べさせる必要がある。
これはもう売春ではないだろうか?
互いに尊敬し合い、認め合い、あるいはまた相手の事情と云うものを考慮した男女の付き合いであれば、互いがどんな相手とどんな風に楽しむかなどと云うことについて、一々規定を設ける必要はないはずであり、そのような規定が必要なのは、己の身勝手な要望を正当化するだけであろう。

そう考えていくと、この世の夫婦や恋人のような関係は、ほとんどすべてが売春であるように思えてならない。
このような考えは、もちろんこの世の中でほとんど相手にされないだろうし、事実ほとんどの国家で、不倫などの行為は離婚裁判で不利になるし、良いこととはされない傾向にある。

そのような法を規定しておきながら、売春宿が林立するこの人類のおかしさに困惑するのである。

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