資本主義の発達

2003年12月29日
わたくしがこどもの頃は、おもちゃと言えば今のようにデパートや玩具店に行って買うものと、自分たちで工夫して作るものとに大別された。
例えば、わたくしが幼い頃には、イチゴは今のような透明なパックに入っているのではなく、小さな木箱に入っていた。
その木箱を分解して、これを削り、輪ゴムを撃つ鉄砲を作ったり、船を作ったりしたものだった。

もちろん、キャラクター商品などもあり、鉄人28号のブリキのおもちゃや、鉄腕アトムのゴム人形などもあった。
またメンコやベーゴマなどにも野球選手やレスリングの選手の名前や似顔絵が刷られたり彫ったりされていた。

今の子供たちは、TVゲームが主流で、キャラクター商品花盛りである。

そして何より驚くのは、子供たちが見るTV番組である。
わたくしの幼い頃には、例えば、変身モノでは「魔法使いサリー」があった。
サリーは変身するのに確か木の棒を使っていたように思う。
ところが、「お邪魔じゃドレミ」は違う。(これももう古いのかな)
やたらにキラキラしたグッズを使うし、その種類も豊富で、第一時間が掛かるのである。
え?何がかって?
変身にですよ、時間を掛けて、そのシーンを焼き付けるんですね、子供の目に。
すると、間にCMが入る。
そこには、たった今子供たちの目を、心を釘付けにした変身グッズ・アイテムが売られている。
当然これを欲しがる子供たち。
親は事ある度にせがまれ、これを買う。

しばらくすると、今度は「お邪魔じゃドレミ#」に番組が変わる。
何が新しくなったって、ほとんど変わらないが、何と変身グッズ・アイテムが変わる。
当然、子供は新しいものを欲しがる、親これを買い与える。
この繰り返し。

これは子供の夢を育む番組ではなく、「通販」番組であろう。
そこいらへんの、棒切れを使って変身してもらっては困るのである。

子供の番組では、「主題歌」がころころ変わる。
そうしないと新しいCDが売れないからであろう。

このように、資本主義は発達する。
こうやって、子供の頃からTVの情報を取得して、これを購買する習慣をつけた年代は、自身で創意工夫して遊ぶより、一握りの天才が発明した玩具に縛られ、それを生涯購入し続けるであろう。

子供は遊びの天才であったのだが、いまや資本主義の奴隷にでもなったかのようである。

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